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高齢者のインフルエンザは命にかかわる

インフルエンザは一本鎖のRNAウイルスであり、粒子内の蛋白質複合体の違いからA型・B型・C型に分類されます。
C型は感染しても軽症で流行はほとんどありません。
しかしA型やB型は毎年変異しながら流行しています。
インフルエンザワクチンを接種したからといって完全に感染を防ぐことは不可能ですが、症状が重症化するのを防ぐことはできます。
特に高齢者はインフルエンザに感染すると重症化しやすく、流行時期が来る前に、インフルエンザワクチンの接種を済ませておくことが重要です。

高齢者がインフルエンザにかかると、なぜ重症化しやすいのでしょうか?その理由となる特徴を述べていきます。
まず、「体力のない高齢者が多く、病気に対する抵抗力が弱い」という点です。
若い世代に比べ、たっぷりと食べることもぐっすり眠ることも難しくなります。
体調の悪化に伴い食欲が減退し、うまく噛むことができないために十分な栄養がとれず、適度な睡眠によって十分な休息がとれなくなると、体力は消耗され抵抗力は落ち、肺炎等の合併症を起こし重症化しやすくなります。

次に「高齢者は脱水症状を自覚しにくい」という点です。
また、頻回にトイレに行くことを苦にして、水分摂取を我慢してしまうという場合もあります。
インフルエンザにより発熱すると脱水を起こしやすく、積極的な水分摂取が必要になります。
体調悪化によりトイレに行くのが大変だからと水分を我慢したり、飲みこみの悪化によってうまく水分摂取できなくなると、身体の脱水状態が進行し、排尿量が減少して尿路感染症等の合併症につながります。

さらに「何らかの基礎疾患を抱えている高齢者が多い」という点も高齢者のインフルエンザが悪化する理由です。
多くの高齢者が心疾患や肺疾患、腎疾患等の基礎疾患を抱えています。
高齢者が肺炎にかかると、こうした基礎疾患が悪化します。
心疾患や腎疾患のある高齢者は心不全や腎不全に陥ったり、肺疾患のある高齢者についてはインフルエンザに合併した肺炎が重症化します。
その結果、命にかかわる事態になる可能性が高まります。

インフルエンザ流行中の老人ホームに注意

老人ホームに入居中の高齢者には脳梗塞等の疾患により身体に麻痺があったり、嚥下障害や呂律不全のある方がいます。
また心疾患や腎疾患、糖尿病等の基礎疾患により免疫力が低下している方も多く生活しています。
つまりインフルエンザが流行すれば、かかりやすい状態の人が多く、老人ホームは感染拡大しやすい環境と言えます。

基礎疾患のある人々がインフルエンザに感染すると合併症を発症したり、重症化して死亡する可能性が高まります。
さらに高熱や全身倦怠感等は高齢者にとってもストレスが大きく、精神的な混乱をもらたらし、認知症を悪化させてしまうことがあります。
認知症が悪化したり、体調が悪化することによって飲みこみが悪くなると、水分や食事がうまく摂れなくなり、脱水による合併症等をおこし、命にかかわる程に重症化します。

以上の理由により、インフルエンザ流行中に老人ホームの面会へ行く場合には、細心の注意を払う必要があります。
潜伏期間中やインフルエンザを発症していても熱が出ない場合もあり、自分がインフルエンザにかかっていることに気付かぬうちに、老人ホームで面会することがあります。
また面会に行って、老人ホームでインフルエンザに感染することもあります。
面会によって外からインフルエンザが持ち込まれれば、施設内に感染が拡大し、利用者を死亡させる可能性があるのです。

インフルエンザ流行中に老人ホームを訪れる際は、玄関先で必ず手洗い・うがいを施行します。
さらに自覚する症状がなくても、インフルエンザにかかっていないくてもマスクを着用して行きましょう。
こうしたインフルエンザから自身を守る行為は、見方を変えれば、相手に対してインフルエンザをうつさない行為となるのです。